王様をしゃぶり尽くす


昨日のペナン出張では、アテンドしてくれた人に連れられてドゥリアンを食べて来ました。ワタクシはそれほど好きでもないのですが、Durian Loverなこの人は私がこの時期にペナンを訪れると必ず連れて行ってくれます。自分が食べたいだけなのだと思いますけど。


「人類で最初にこれを口に入れた奴はエラい」的な事をどこかの作家が書いているのを何かで読んだことがあります。要するに臭いと云う事ですね。しかしそれは必ずしも正解ではありません。なぜなら良いドゥリアンはさほど臭わないからです。とは云え少しは臭いますのでお持ち帰りには向いていないかもしれません。クルマのトランクなどに積みますとしばらく”かほり”を楽しむはめになります。


ですからドゥリアンは売ってる店先で食べるのが正解かと。ペナン空港の西側の山にJalan Balik Pulauと云う道幅の狭い旧道が走っています。この道路沿いの屋台で売っているドゥリアンがペナンでは有名なんだそうです。わざわざ行く人もいないと思いますが、お好きな方のためにおおよその場所を貼っております。





-露出不足で分かり難いですがたわわに実が付いています

片側1車線の古い峠道の両サイドにはドゥリアンの木がたくさんありました。これらの木は植林されたもので自生のドゥリアンとは違います。自生のドゥリアンは幹の太い巨木で樹高が20〜30m以上あって、ドゥリアン・カンポンと呼ばれています。カンポンとはマレー語で「村」ぐらいの意味なのですが、私は長い間ドゥリアン・カンポンが植林されたドゥリアンの事だと思っていました。それじゃ植林されたドゥリアンは何と呼ぶのかは聞くのを忘れました。


マレーシアのドゥリアンは結実するシーズンになると落下したものを収穫するのだそうです。一方でタイのドゥリアンは樹になっている実を切り取って収穫するのだとDurian Loverが教えてくれました。これは樹種の違いもあるでしょうけど、ドゥリアンを食べる時の好みの違いでもあるようです。マレーシア、シンガポール辺りでは良く熟れたのが好まれて、タイでは少し早めな状態で食べるのが好まれるようです。


ドゥリアンの実は1.5〜2.0kgぐらいの重量がありますので、収穫中に落ちて来ると危ないと思うのですが、熟れた実が落下する時間帯はおおよそ決まっているようです。ですから収穫する人はその時間を外して穫るわけですね。これまで一度もドゥリアン収穫中に落下した実が命中して人が死んだとか、ケガをしたと云うニュースは聞いた事がないので多分そうなのでしょう。一度、実が落ちる様を見てみたみたいものです。




-ドゥリアンを割ってくれている屋台のおっちゃん

屋台には大小さまざまなドゥリアンが並べられています。この中から美味しいものを見分けるのは至難の業です。Durian Loverは持ち上げてクンクンと臭いをかいでいました。それで分かるのか?と聞くと、「いや分からん」との事でした.......。スイカのように指でコンコンと叩くわけにもいきませんしね。


でも売ってるおっちゃんはどの実がどの樹から落ちたのか知っているので、これが美味いとかあれは止めた方が好いとかアドバイスをしてくれます。これも必ずしも当たっているわけではなくて、お勧めのヤツを開けてみたらハズレだった事もありました。結局、美味いドゥリアンを食べるためには、インベントリーの豊富な屋台で片っ端から割ってみるしかなさそうです。この日は5〜6個割ってみて少しずつ食べました。ワタクシ的に当たりは二つでした。




-えげつない値切り方をしていたチャイニーズのおばちゃん。屋台のおっちゃんの辟易とした顔が印象的でした。


もっと写真を撮りたかったのですが、ドゥリアンを食べ始めてしまったのでカメラが持てなくなってしまいました。そうなのです。立ち食いドゥリアンは手づかみです。食べ終わってから水で手を洗ったのですが、そんな事で臭いは取れません。ドゥリアン臭い指のままでシンガポールへ戻りました。


やっぱり臭いですな、ドゥリアンは。